本格修理
維持管理行為で対応できないほど損傷の激しい史料については、国宝修理装潢師連盟に加盟する工房である宰匠株式会社(代表取締役:藤井良昭)に委託して、修理を実施しています。
対馬宗家文書については、平成27年(2015)度より国の補助金を受けながら修理を行っており、これまで毎日記35冊、朝鮮通信使関係絵巻4本の修理を完了させました。
修理の工程
1.修理前
2.対象史料の搬出
3.調査
4.解体
5.剥落止め
6.断片整理
7.漉き嵌め(すきばめ)
8.修理監督(修理方針の協議)
9.仕立て
10.完成
11.納品
また、令和元年(2019)度の長崎県立対馬歴史民俗資料館の移転に伴い、移転に耐えられない毎日記の応急修理を、国庫補助メニュー「文化観光充実のための国指定等文化財磨き上げ事業」(「美装化」事業)で実施しました。
「美装化」前
「美装化」後
そのほか、国指定重要文化財のお経の修理にも、長崎県は補助金を出しています。
国指定重要文化財「高麗版大般若経」(宗教法人長松寺所有)
工期:6ヶ年(平成24年〔2012〕度~29年〔2018〕度)
国指定重要文化財「高麗版一切経」(宗教法人多久頭魂神社所有)
工期:3ヶ年(平成30年〔2019〕度~令和2年〔2020〕度)
成果公開チラシ
これまでに修理してきた資料の成果公開チラシです。